伊丹 裕 Itami Hiroshi

現代美術家  

「磁場=意識場」をコンセプトに見えないエネルギーを探求し、視覚・聴覚的に見えるかたちに表現することを試みるとともに、未知なるエネルギーを利用可能にする考え方のメッセージを発信している。

1980年「美道的表現の宣言」〜継続。

1991年「サーキュレーション・アート提唱」〜継続。

1992年「波動空間哲学の構築」。

1993-2000年「惑星磁場修正計画」として地球上のパワースポット7箇所に磁場の修正装置を埋設し、地球の磁場を修正する実施プロジェクトを推進。

2000年〜かたちや色を変えながら「惑星磁場修正計画」を継続。

2000年「レインボープロジェクト開始」〜継続。  

 

360°GRAPHICSシルクスクリーン版画工房主宰

伊丹裕のアートについて思うこと/小倉正史(国際美術評論家)  

 

そうたびたびではないが、どういうアーティストなのか、分類してなにかのカテゴリーに入れることが難しいアーティストに出会うことがある。画家とか彫刻家とか、あるいはメディア・アーティストとかと、呼ぶことがぴったりしないアーティストにだ。その活動がいくつもの分野にまたがっているので、どこかの分野に落ちつかせることができないからだ。伊丹裕がそうで、彼の作品として示されるものは、立体物であったりヴィデオ・インスタレーションであったり平面であったり、多様であることがまず目につくが、それよりも、それらの作品に含まれる内容において、物理学や数学やサウンドなどと交叉していることに気がつかされる。コンセプチュアル・アーティストと言えるかもしれないが、彼の作品の根底には、なにかの事柄についての概念というよりも、もっと深い、世界のありかたについての認識と結びつく思想が潜んでいる。むしろ、thinking artist、思想的なアーティストなのだ。そうした彼のアートの方向づけは、師であった松澤宥から受け継いでいるが、伊丹裕の場合は、師の宇宙的な広がりのなかでの展開よりも、地球の大地の過去と未来にかかわる現実世界の事柄が重要である。それを端的に示したのが、地磁気の修正プロジェクトであった。  こうした彼のアートの傾向は、1980年代の始めごろから本格化した、彼の主宰するシルクスクリーンの工房の活動と関係づけられるかもしれない。物質的な素材を用いる複製技術の洗練に没頭することで、アートを支える根幹のひとつ、テクネ—としてのアートが、現実世界の物理的な成り立ちやその論理性を抜きにしては成り立ちえないことを実感したであろう。そうした物質的な世界に根ざしながら、その対極にある精神的な世界に向かうこと、それが、伊丹裕の探求するアートなのである。